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堀口 直樹; 吉田 啓之; 金子 暁子*; 阿部 豊*
Physics of Fluids, 35(7), p.073309_1 - 073309_17, 2023/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Mechanics)非混和液液系における液体ジェットの微粒化は、原子力産業分野の安全上重要である。日本原子力研究開発機構は、数値シミュレーションを用いて非混和性液液系における液体ジェットとして振る舞う溶融燃料の挙動を評価する手法を開発し、数値シミュレーションと実験により浅水プール中の液体ジェット挙動を調査してきた。本論文は、壁面衝突液体噴流における微粒化の機構を明らかにする。ここでは、非混和液液系の浅水プール中壁面衝突液体噴流における微粒化挙動について、数値シミュレーションと分散相追跡法を用いて、液滴形成とその流れ場の観点から研究した。その結果、壁面衝突液体噴流に見られる液膜流における液滴形成は、三つのパターンがあることを明らかにし、液滴形成直後の液滴物理量を取得し、無次元数を用いた液滴形成の理論的基準領域を開発した。液滴形成パターンとこの領域との比較により、パターンの特徴と発生源に応じた液滴形成機構を解明した。
杉本 太郎*; 金子 暁子*; 阿部 豊*; 内堀 昭寛; 栗原 成計; 高田 孝; 大島 宏之
Nuclear Engineering and Design, 380, p.111306_1 - 111306_11, 2021/08
被引用回数:3 パーセンタイル:45.99(Nuclear Science & Technology)ナトリウム-水反応現象の評価において、液体ナトリウム中の高速気体ジェットによる液滴エントレインメントは重要な要素現象である。本研究では、ナトリウム-水反応現象解析コードの液滴エントレインメントモデル整備に資することを目的として、水中に空気を噴出させた場合に発生する液滴エントレインメントを対象に、フレームストラドリング法を用いた可視化実験を実施した。本実験では、液滴の発生と移動に関する鮮明な画像の取得に成功し、その画像処理から計測位置や気相噴出流速をパラメータとした液滴径と液滴速度を取得した。取得したデータは、現象解明と解析モデルの整備に寄与するものである。
齋藤 雅史*; 金子 暁子*; 阿部 豊*; 内堀 昭寛; 栗原 成計; 高田 孝*; 大島 宏之
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 7 Pages, 2021/08
ナトリウム-水反応現象解析コードの妥当性評価及び改良に資する実験データ取得のため、水中に空気を噴出させた場合に発生する液滴エントレインメントの可視化実験を実施した。本実験では液滴径と液滴速度を計測するとともに、ノズル形状の影響を明らかとした。
坂本 淳志; 木部 智*; 川野邊 一則*; 藤咲 和彦*; 佐野 雄一; 竹内 正行; 鈴木 英哉*; 津幡 靖宏; 伴 康俊; 松村 達郎
JAEA-Research 2021-003, 30 Pages, 2021/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)では、使用済核燃料溶解液中からマイナーアクチノイド(以下、「MA」という)を回収するプロセスの一つとして、SELECTプロセスの適用が検討されている。SELECTプロセスでは従来から用いられてきたリン(P)系の抽出剤ではなく、炭素(C),水素(H),酸素(O),窒素(N)といった非リン系のみで構成される新たな抽出剤を開発し、その適用検討を進めているところである。その中でMA・ランタノイド(以下、「Ln」という)を一括回収するための抽出剤として-tetradodecyldiglycolamide(テトラドデシルジグリコールアミド(以下、「TDdDGA」という))、MA/Lnを相互分離するための抽出剤として-hexaoctylnitrilotriacetamide(ヘキサオクチルNTAアミド(以下、「HONTA」という))、Am/Cmを相互分離するための抽出剤としてAlkyl diamide amine(アルキルジアミドアミン(ADAAM))を用いたフローシートの構築を進めている。本試験では、SELECTプロセスにおいてラフィネート中からMA及びLnを回収するためのTDdDGA及びHONTAを対象に、フローシートを構築する上で必要となる物質移動係数の取得を単一液滴法により進めた。単一液滴法により物質移動係数を評価するに当たっては、あらかじめ装置の形状変更等の改良を重ねた上で試験的な評価を実施し、既報値と同様な物質移動係数値が得られることを確認した。また、取得したTDdDGAの物質移動係数を用いることで、これまでにmixer-settlers(ミキサセトラ(MS))やcentrifugal contactors(遠心抽出器(CC))を用いて実施してきた連続多段試験結果の妥当性についても評価することがdできた。さらに、HONTAに関しても評価を行い、10m/s以下の低い物質移動係数を有することが明らかとなった。
堀口 直樹; 吉田 啓之; 阿部 豊*
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(3), p.278 - 290, 2019/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)ベンチュリスクラバは微小なエアロゾル粒子を除去するものであり、原子力発電所におけるフィルタ付ベントシステムの構成機器として導入されている。核分裂生成物を含むエアロゾル粒子は、ベンチュリスクラバ内に形成される液滴との衝突により除去されると考えられるが、運用時に想定され得る超高流速条件での液滴データが不足している。本研究は、超高流速条件でのベンチュリスクラバ内の液滴径データの取得とそれによる液滴径評価式の適用性確認を目的とした。まず、超高速微小液滴を観察するため、高解像度高撮影速度の光学系を開発した。続いて水-空気系の模擬試験により可視化計測し、液滴径分布とザウター平均径(SMD)を取得した。既存評価式による予測値と実験値を比較し、気相流速82-250m/sの範囲において抜山-棚沢の式がSMDを良い精度で予測できることを明らかにした。
上澤 伸一郎; 吉田 啓之
混相流, 32(1), p.140 - 149, 2018/03
液滴による放射性エアロゾル粒子の捕集が、原子力分野でも実用化されている。エアロゾル粒子捕捉の物理機構には、さえぎり、慣性衝突、ブラウン運動による拡散、重力沈降、静電引力があると考えられているが、エアロゾル粒子は比較的微小かつ高速で運動することから、液滴によるエアロゾル粒子がそれらの物理機構によって捕捉されている様子を直接計測した例はない。本研究では、液滴によるエアロゾル粒子の捕捉挙動を明らかにするため、液滴周りのエアロゾル粒子群挙動を粒子画像流速測定法で計測した。さらに、液滴界面近傍のエアロゾル粒子の捕捉挙動を、対物レンズを備えた高速ビデオカメラを用いて観察した。その結果、飛来したエアロゾル粒子が液滴に捕捉される様子を直接撮影することに成功した。その粒子挙動は、液滴界面に捕捉された後に液滴内部まで侵入して液滴内に拘束される挙動、液滴界面に捕捉された後もそのまま界面上で拘束される挙動、液滴界面まで到達するものの捕捉されずに液滴界面上を移動する挙動、液滴界面まで近づけず捕捉されない挙動の計4種類あることが確認された。その可視化計測結果から、液滴に捕捉された粒子は比較的粒径が大きく、ストークス数は概ね1以上であり、本実験範囲においては、液滴前面における主な捕捉機構は「慣性衝突」であることが確認された。
上澤 伸一郎; 吉田 啓之
混相流シンポジウム2017講演論文集(USB Flash Drive), 2 Pages, 2017/08
液滴によるエアロゾル粒子の捕集は、多くの産業分野で実用化されている。近年では液滴による放射性エアロゾル粒子の捕集が、原子力分野でも実用化さている。エアロゾル粒子除去の物理機構には、さえぎり、慣性衝突、ブラウン運動による拡散、重力沈降、静電引力があると考えられているが、エアロゾル粒子は比較的微小かつ高速で運動することから、液滴によるエアロゾル粒子がそれらの物理機構によって捕捉されている様子を直接計測した例はない。本研究では、液滴によるエアロゾル粒子の捕捉挙動を明らかにするため、液滴周りのエアロゾル粒子群挙動を粒子画像流速測定法で計測した。さらに、液滴界面近傍のエアロゾル粒子の捕捉挙動を、対物レンズを備えた高速ビデオカメラを用いて観察した。その結果、液滴断面中心に飛来するエアロゾル粒子は、液滴界面近くで減速後に、液滴界面に捕捉されたことが確認された。しかしながら、液滴断面中心から離れた位置に飛来したエアロゾル粒子は、液滴界面に到達できず、液滴界面に捕捉されることはなかった。また、実験後の液滴界面と内部の観察から、液滴界面で捕捉されたエアロゾル粒子は液滴内部に移動することが確認された。
赤羽 正彰*; 堀木 幸代*; 刑部 真弘*; 小泉 安郎; 内堀 昭寛; 大野 修司; 大島 宏之
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 7 Pages, 2015/05
高速炉蒸気発生器の伝熱管破損時において、隣接伝熱管ウェステージの主な要因となる高速気体噴流中の液滴挙動を実験から調査した。実験では、水中に高圧空気を噴出させ、噴流中にエントレインされた液滴を高速度カメラにより可視化するとともに、撮影画像を処理することにより液滴速度の計測を行った。可視化画像より、噴流界面からフィラメント状に液体が巻き込まれて液滴が発生する様子を確認した。液滴速度の計測から、噴流軸方向成分の速度は空気噴出速度の上昇とともに増大する挙動や液滴が発生した後噴流により加速される挙動を示すデータを得ることができ、隣接伝熱管ウェステージに関する現象解明及び評価手法の検証に有用な知見を得た。
海老原 健一; 渡辺 正
第18回数値流体力学シンポジウム講演要旨集(CD-ROM), 7 Pages, 2004/12
液滴発生が起こり始める基準を表すIshii-Grolmes実験相関式は、格子ボルツマン法によって再現されている[海老原他、ながれ23, 253(2004)]。そのシミュレーションでは、水平層状二相流の界面上に生成された波から液滴がちぎれる様子が観察される。この実験相関式の再現に対する数値計算的及び物理的影響を、本論文において議論する。数値計算的影響として、計算格子の離散化がシミュレーション結果に影響を及ぼすが、実験相関式再現のシミュレーションは、十分な格子サイズにおいて行われていたことが確認された。また、物理的影響として、生成される波の形状と流速分布が、シミュレーション結果に影響を与えていることが見られた。
渡辺 正; 海老原 健一
Journal of Fluids Engineering, 124(3), p.576 - 583, 2002/09
被引用回数:8 パーセンタイル:37.44(Engineering, Mechanical)格子ボルツマン法を用いて合体分裂を伴う液滴流の数値シミュレーションを行った。垂直方向におかれた2つまたは3つの液滴は上昇時に合体し、合体後の分裂が平均ウェーバー数に依存して起こることを明らかにした。また、二相流の界面積と体積率を数値的に高速に評価する手法を提唱し、単一液滴の上昇時及び2つの液滴の合体分裂時の界面積変化を測定した。液滴流の界面積は、液滴の形状,数,大きさに依存し、合体により減少し、分裂により増加することを確認した。提唱した手法は、界面が動的に変化する二相流の界面積評価に有効であることを示した。
広沢 昌二郎*; 小嶋 拓治; 橋本 昭司; 鈴木 良治*; 青木 慎治*
Radioisotopes, 51(8), p.285 - 295, 2002/08
リグナイト炭燃焼排煙(SO(5500ppm),NO(390ppm),HO(22%))を用いた電子ビームによる排煙処理の実験を実施し、1-2kGyで90%以上の脱硫率を得た。これはリグナイト燃焼排煙の処理に対する電子ビームの適用が可能であることを示している。電子ビーム照射によるラジカル反応によって除去される脱硫量は高々数百ppmであること、また照射無しで脱硫を生じさせるサーマル反応による脱硫量は全脱硫量の半分程度であることから、これら以外の脱硫反応が示唆された。サーマル反応に類似の液滴表面上でのSOとアンモニアの同時取り込み反応を提唱した。液滴エアロゾルを生成するうえで、25で60%の潮解相対湿度(DRH)を持つ硝酸アンモニウムが重要な役割を担っていることを指摘した。硝酸アンモニウムのDRH は温度とともに及び硫酸アンモニウムとの複塩化とともに減少し、液滴エアロゾルの形成を促進していると考えられる。
渡辺 正
日本原子力学会第34回炉物理夏期セミナーテキスト, p.113 - 132, 2002/07
ボルツマン方程式の熱流動計算の応用として、直接シミュレーションモンテカルロ(DSMC)法,格子ガス(LG)法,格子ボルツマン(LB)法について、それぞれの手法の概要を解説する。また、計算例としてDSMC法による熱対流の発生と対流状態間遷移,LG法による流れ場における二相の分離と混合過程,LB法による液滴の合体分裂と定常液滴流のそれぞれのシミュレーション結果について示す。
西村 一久; 庄司 修一*; 羽成 章*; 佐藤 誠一*; 木原 義之; 遠藤 秀男
JNC TN8430 2001-005, 64 Pages, 2001/09
先進的リサイクルシステムのMOX燃料製造法の有力な候補として外部ゲル化法がある。MOX試験の実施に先立ちウランを用いて基本的な機器の把握・製造条件の確認を行った。製造試験では基本的な条件の調査を行い、1)原料となる硝酸ウラニルの調製とPVA水溶液の調製試験を行い、適切な調製条件を調査した。2)液滴を生成するための滴下原液の調製、振動滴下装置による液滴生成に関する試験を行い、適切な振動数、送液速度を調査した。3)ゲル化反応の際の、原液組成、アンモニア濃度の影響を調査した。4)ゲル球の熟成・洗浄・乾燥条件について試験を行い、不純物の除去効果などを調査した。5)乾燥ゲル球の示差熱分析及び焙焼試験を行い、酸化物粒子を得た。このことで最終的な焼結粒子が得られる見通しがついた。また、特性評価などを行い、粒子直径の高い制御性や物質収支に関して技術的な問題がないことを確認した。本試験の結果、振動滴下装置を用いたゲル化法についてのMOX粒子製造試験を行う準備がほぼ整った。しかし、ゲル球の表面ひび割れなどの未解決課題については引き続きウラン試験を行い解決する必要がある。
技術協力課*
JNC TN1400 2001-013, 70 Pages, 2001/08
機構は、機構が取り組む研究開発プロジェクトに関する基礎・基盤的研究を大学及び研究機関(以下「大学等」という。)と研究協力を図り進めている。本報告書は、平成12年度に実施した大学等との共同研究14件の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、本報告書には、核燃料サイクル公募型研究及び先行基礎工学研究により進めている大学等との共同研究については除いている。
海老原 健一; 渡辺 正
JAERI-Research 2000-042, 43 Pages, 2000/10
格子ガス気液モデルは、格子ガスに粒子間の長距離相互作用を付加することにより、粒子的手法を用いて一成分二相流体をシミュレーションすることができるモデルである。今回は、このモデルを用いて、重力を想定した外力場中での液滴の変形について調べたことを報告する。この気液モデルには、付加する長距離相互作用の種類によって、maximalモデルとminimalモデルの2つのタイプのモデルがあり、maximalモデルによってシミュレーションされた液滴の変形は、minimalモデルによるそれより、実験で得られる液滴の変形に近いことが観察された。
海老原 健一; 渡辺 正
第14回数値流体力学シンポジウム講演要旨集, p.F06_3_1 - F06_3_8, 2000/00
流体を粒子の運動によって表現することができる格子ガスに長距離相互作用を付加したモデルを格子ガス気液モデルと呼び、このモデルは、一成分系での相分離現象を表すことができる。この格子ガス気液モデルには、含まれる長距離相互作用の違いによって、minimal interaction modelとmaximal interaction modelがあり、今回は、この2つのモデルを用いて、外力場中での液滴挙動のシミュレーションを行い、その結果の比較を行った。minimal interaction modelでは、液滴が外力方向に延びる、非現実的な現象が観察されたが、maximal interaction modelでは、現実の液滴変形に近い変形の様子が観察された。そして、この違いは、流速によって引き起こされる局所的圧力の非等方性によるものであることがわかった。
Zhao, Y. L.*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 谷川 勝至*; 塚田 和明; 市川 進一; 末木 啓介*; 大浦 泰嗣*; 池添 博; 光岡 真一; et al.
Physical Review Letters, 82(17), p.3408 - 3411, 1999/04
被引用回数:32 パーセンタイル:79.83(Physics, Multidisciplinary)核分裂における対称、非対称質量分割の切断時に3種類の変形度が存在することを明らかにした。非対称質量分割モードにおいては、変形度は広範な分裂核の質量領域で一定であった。一方対称質量分割モードにおいても同様な変形度の一様性が得られたが、重アクチノイド領域ではさらにもう一つの変形成分が現れ、これらはそれぞれ液滴的並びに分裂片の殻効果の影響を受けた変形核として解釈できた。
not registered
PNC TJ1600 98-004, 50 Pages, 1998/03
原子炉施設、核燃料取扱施設においては、作業環境中の空間線量率や放射線業務従事者の被曝管理のために、中性子、線の線量測定が不可欠である。中性子検出器の一つである過熱液滴型検出器は高感度な中性子線量計としてこの分野の要求に応える有望な検出器である。作業環境はしばしば中性子・線(或いは陽子や電子など)混在場であることが多く、また厳しい温度条件下におかれる場合も少なくない。種々の環境で線量測定を行なうためには、広範な放射線に対する過熱液滴型検出器の放射線検出動作の一般的理解が重要である。本研究はこれまで実施してきた過熱液滴型検出器の放射線検出動作の解析や基本特性の取得をすすめると共に、その結果に基づき、この型の検出器の現場の放射線管理への適用性を明らかにすることを目的としている。このために今年度は以下の検討を行った。(1)過熱液滴型検出器の試作とその検討(2)過熱液滴型検出器の基本特性の把握1.中性子検出感度の温度・圧力および中性子エネルギー依存性2.線検出感度の計算(3)放射線管理への適用性の調査検討1.エネルギー弁別検出器の可能性2.線量評価法3.検出感度の温度依存性の補償
not registered
PNC TJ1636 97-002, 73 Pages, 1997/03
本研究は、試料液滴の粒径分布の狭い狭分散噴霧を用いて、噴霧熱分解法により硝酸セリウム溶液から二酸化セリウム粒子を生成した。そして、その熱分解過程、または、生成粒子に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とし、生成条件が生成粒子の粉体特性に及ぼす影響に関して検討した。特に、試料の初期液滴径、初期濃度、気流温度に着目し、それらが生成粒子の粒度分布、および、その形状に及ぼす影響を明らかにした。生成粒子の粒径を、画像処理法により測定した結果、硝酸セリウム溶液の熱分解過程において、試料液滴は一段または二段階の発泡による飛散、または分裂により、生成粒子の粒度分布は初期液滴の分布に対して広く、その粒度分布には、二つのピークが存在し、そのピーク値は生成条件によらず、頻度のみが変化する。そして、その平均粒径は、初期液滴径および初期濃度の増加にともない大きくなり、気流温度の上昇にともない小さくなる、また、電子顕微鏡により生成粒子を観察した結果、生成粒子の形状は、表面に空孔を有し、表面の粗いものであるが、中空状でその外殻は多孔状である。
not registered
PNC TJ1600 97-002, 97 Pages, 1997/03
原子炉施設、核燃料取扱施設においては、作業環境中の空間線量率や放射線業務従事者の被曝管理において、線のみならず中性子の測定が不可欠である。中性子検出器の一つである過熱液滴検出器に比べ低いことから、特に線と中性子が混在する作業環境における中性子線量率や放射線従事者の中性子被曝を測定できる有望な検出器である。しかし、この検出器の作動理論や、その特性については未だ十分解明されていない。本研究では現場の放射線管理への適用に資するために、この過熱液滴型検出器の作動原理の理論解析を行い、更に適応範囲の広い有用な検出器開発のための知見を得ることを目的とする。今年度は、以下の検討を行った。(1)過熱液滴型検出器の理論解析1.中性子検出感度の計算2.線検出感度の計算(2)過熱液滴型検出器試作法および試作検出器の検討(3)基本特性の測定1.過熱液滴型検出器の温度・圧力依存性2.単一液滴の中性子誘起気化の観測